木材の知識 ま行

真樺 [マカンバ]

マカバ [マカバ]
ウダイカンバ [ウダイカンバ]
サイハダカンバ [サイハダカンバ]

カバノキ科

分布:北海道に多く分布、本州(中部以北)

気乾比重:0.69

特徴:辺材は白色〜淡い桃灰色、心材は淡い赤褐色〜褐色で、辺心材の境目は明瞭。木理はほぼ通直、肌目も緻密なためヤマザクラの代替材として使われることが多い。重硬で強靱だが、加工性は比較的よい。ただし、耐朽性に劣るので注意が必要

用途:床材、家具全般

柾目 板目

淡彩ブラウン色仕上げ

カバ材は材質が硬く、素地着色剤に顔料着色剤のみを使用すると、木肌部分が着色しにくい傾向があるため、染料と顔料を混入した目止め着色剤で適度な木肌着色と道管着色を同時に行う。下塗り後、スプレーで補色着色を行い、均一に整えてから上塗りを施す。全体的な均一感を主体とした仕上げ方法である

中間色ブラウン仕上げ

カバ材は逆目が多いため、素地着色剤が濃くなるに従って色ムラが出てくる。淡彩ブラウン仕上げと同様な下地着色を施し、塗膜着色にウエイトを置いて、濃色にもっていく。塗膜着色にウエイトを置くことは、それだけ現場塗装が難しくなり、工場塗装型にしなければならないことになる

和風民芸調仕上げ

和風民芸調仕上げに対する考え方は、ヨーロッパなどでも同様だが(ラスティック仕上げ=田舎風の仕上げと称している)、技法的にはあまり凝らない仕上げをいい、素材のラフ感をそのまま表現する。色ムラになりやすいカバ材の逆目を逆に強調した塗装である。染料・顔料着色剤を濃色にしたもので素地着色を施すが、素地着色を濃色とする理由は、色ムラがあっても全体に色を付けたいからである

マコレ [マコレ]

バク [バク]
チェリーマホガニー [チェリーマホガニー]

アカテツ科

気乾比重:0.66

産地:ナイジェリア、象牙海岸、ガーナなど

特徴:辺材は淡色、心材は桃褐色〜濃い赤褐色で、材により色調に幅がある。木理は通直、肌目も緻密で、独特の光沢をもつ。やや重硬で靱性が高いため加工性はやや悪いが、接着性・表面の仕上がりは良好。ただし、シリカ(ケイ酸塩)を含む上、釘打ちで割れやすい。耐朽性は大

用途:床材、テーブル天板、高級家具

柾目

ブラウン色仕上げ

マコレはニャトーと同様にマホガニー材に類似しており、マホガニー材より重硬で、濃色な赤褐色である。そのため、材色を生かした散孔材系の着色技法を用いるのが普通である。濃色材であるため色相は限定される

マホガニー [マホガニー]

センダン科

気乾比重:0.66

産地:中南米各地、西インド諸島など

特徴:辺材は白色〜淡い黄色、心材は淡い桃褐色〜暗褐色で金色の光沢をもち、時間の経過とともに濃色に変化する。木理はほぼ通直だが、肌目はやや粗い。やや重硬だが加工性がよい上、狂いが少なく、耐朽性も大きい。一見するとメランチ類・ラワン類などに似ている

用途:テーブル天板、高級家具

板目

マンソニア [マンソニア]

アフリカンブラックウォルナット [アフリカンブラックウォルナット]

アオギリ科

気乾比重:0.68

産地:ナイジェリア南部、象牙海岸、ガーナ

特徴:辺材は白色、心材は黄褐色〜灰褐色で、時に紫色の条をもち、時間の経過とともに淡い黄褐色に変色する。木理は通直、肌目も緻密だが、リップルマーク(さざ波模様)を有する。やや重硬で強度は高いものの割れやすい。乾燥・加工性はよく、着色性・塗装性・表面の仕上がりも良好。耐朽性は大

用途:装飾材、テーブル天板、高級家具

柾目

水楢 [ミズナラ]

ナラ [ナラ]
オオナラ [オオナラ]

ブナ科

分布:北海道(道産ナラ)、本州、四国、九州、南サハリン、朝鮮など

気乾比重:0.67

特徴:辺材は淡い紅色を帯びた白色、心材はくすんだ淡い褐色で、辺心材の境目は明瞭。木理は交錯、肌目も粗いが、柾目面に虎斑(とらふ)といわれる独特な紋様を呈する。伸張・反張しやすく、特に乾燥には注意が必要。重硬なため加工性もやや悪い。耐朽性は中程度

用途:床材、家具全般

虎斑 板目

柾目髄線着色仕上げ

染料着色したものは、ナラ材特有の髄線部分が他の部分より硬く、染料の吸込みが少ないため、明るい色になっている。これに対して、薬品着色(ナラ材を密閉容器に入れ、そのなかでアンモニアガスを発生させ、ナラ材がもつタンニンと反応させて発色させたもの)では、逆に髄線部分が濃く発色している。これが染料着色と薬品着色の大きな違いである

染料着色 薬品着色

素地着色ブラウン色仕上げ

一般の家具塗装には、素地着色と塗膜着色の2段着色法が用いられている。素地着色の技法は、目止め着色剤を刷毛塗りし、ウェスで拭き取る方法が多く用いられているが、材色の差をカバーできないため、スプレー塗装法の塗膜着色で調整する。目止め着色剤は、通常顔料系が用いられるが、堅密な素材の場合、道管部分には入るが、木肌部分には着色しにくい。この見本は素地着色のみで、目止め剤に染料と顔料を混入し、着色した例である

民芸調ダークブラウン色仕上げ

堅密な材を濃色に着色するためには、目止め剤に染料と顔料を混入した1回着色法では無理がある。この場合は、最初に染料系着色剤で素地を十分に着色してから、顔料系の目止め着色剤を施す。ナラ材の場合、柾目を使用することにより、放射組織が虎斑(とらふ)模様となって面白い味が出る

黒タガヤ調濃色仕上げ

スプレー塗装による塗膜着色を前提としたものだが、染料・顔料混合の目止め着色剤と塗膜着色法の2段着色で濃色にした例である。スプレー塗膜着色法は腕のよいスプレーマンと工場塗装を前提条件にしたものであるが、幅の狭い部材などの場合には現場塗装でも適用可能と思われる

ミズメ [ミズメ]

ヨグソミネバリ [ヨグソミネバリ]
梓 [アズサ]
サクラ [サクラ]
ミズメザクラ [ミズメザクラ]

カバノキ科

分布:本州(岩手県以南)、四国、九州

樹形など:樹形は卵形、樹皮は暗灰色で横長の皮目が多い。葉は長さ5〜10?の狭卵形で長枝では互生し、短枝では2個束生する。葉先は鋭く尖り、葉縁には鋭い鋸歯がある。黄褐色の雄花序は枝先の葉腋から下垂し、緑色の雌花序は短枝の先に1個ずつ上向きに付く。堅果は長さ約2?の卵形で、褐色に熟す

気乾比重:0.69

特徴:辺材は黄白色、心材は淡い赤褐色で、辺心材の境目は明瞭。木理は通直、肌目も緻密。重硬なため加工性に劣るが、割れや狂いが少なく、靱性も大きい。耐朽性は小〜中程度。「サクラ」の市場名で取り引きされる場合があるので注意したい

用途:床材、造作材、家具、器具などに用いられる

柾目

メラピ [メラピ]

フタバガキ科

気乾比重:0.58

産地:フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマーなど

特徴:辺心材の境目は不明瞭で、全体に淡い黄色〜淡い黄褐色を呈している。木理は交錯し、肌目も粗い。乾燥は容易で、比較的加工もしやすいが、シリカ(ケイ酸塩)を含むため鋸の刃などに悪影響を及ぼすので注意したい。耐朽性は小〜中程度

用途:床材、造作材、家具、合板など、内装材として用いられることが多い

柾目

メルサワ [メルサワ]

パロサピス [パロサピス]
アニソプテラ [アニソプテラ]
ベンベン [ベンベン]
プジック [プジック]

フタバガキ科

気乾比重:0.53〜0.84

産地:バングラデシュ〜ニューギニア〜ルイシェード諸島に広く分布

特徴:全体に淡い黄色〜淡い黄褐色の地に桃色の縞をもち、時間の経過とともに褐色に変化する。木理は交錯、肌目もやや粗い。やや重硬だが加工性は比較的よく、接着性・表面の仕上がりは良好。虫害に弱いので注意したい。耐朽性は小

用途:床材、敷居、階段材、造作材、家具、合板など

追柾目

モアビ [モアビ]

アカテツ科

気乾比重:0.80

産地:ナイジェリア南部、ガボンなど

特徴:辺材は桃色を帯びた灰白色〜灰褐色、心材は赤褐色〜暗赤褐色で、時に濃淡の縞をもち、辺心材の境目は明瞭。木理はほぼ通直、肌目も緻密。重硬で強度も高いが、加工性は比較的よい。耐朽性は大。材質的に国産のマカンバ、アサダと似ている

用途:床材、敷居、框材、内装材、家具、化粧用単板、合板など

板目

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