木材の知識 や行

ヤチダモ [ヤチダモ]

タモ [タモ]
オオバトネリコ [オオバトネリコ]
シオジ [シオジ]

モクセイ科

分布:北海道、本州(長野県以北)、サハリン、朝鮮など

樹形など:樹形は卵形、樹皮は灰白色で皮目が点在し、浅い割れ目がある。葉は7〜11個の小葉をもつ奇数羽状複葉で対生する。小葉は長さ5〜15?の楕円形で葉の先が尖り、葉縁には波状の鋸歯をもつ。枝の葉の脇に円錐花序を付け、淡い緑白色の小花を密生させる。翼果は長さ3〜4?の線状長楕円形で、緑褐色に熟す

気乾比重:0.65

特徴:辺材は淡い黄白色、心材は淡い灰褐色で、辺心材の境目は明瞭。木理はほぼ通直だが肌目は粗く、時に縮杢(ちぢみもく)などの美しい杢目が現れる。重硬で靱性・弾力性に富んでいる。加工性・耐朽性は中程度

用途:家具などに用いられている

板目 縮杢

時代仕上げ

玉杢が生じやすいタモ、キハダ、ヤマグワなどの仕上げに時代塗りという技法があった。素地着色は重クロム酸カリウムや阿仙薬(あせんやく=タンニンの一種)を用いて薬品着色を行った後、ウッドシーラーを薄く塗布してから道管に砥の粉目止め剤を擦り込む。一種の白目出し仕上げであるが、上塗りを厚塗りすると道管の白さが失われてしまうので、上塗りはワックス仕上げやラッカーの薄塗り仕上げを行う

根来調黒目出し仕上げ

木理は通直だが、淡色で肌目も粗く、均一な素地着色がしにくい材である。そのため、エナメル塗装で色付けを行うが、単一色では素材感が得られないので、道管を利用して2色のエナメルで漆の根来(ねごろ)塗りの感じを表現した。根来塗りとは逆にブラウン色を先に塗装し、後から薄く黒色を塗装する。これをサンドペーパーで研磨し、道管部分に黒色を残して、クリヤーを上塗りする

赤目出しブラック仕上げ

タモは中間的な着色では色ムラになりやすいので、ブラックの仕上げとしてみた。木質感を出すため道管に赤色の目止めを施している。目止めの赤色をはっきりと表現するために、下地の黒色をあまり厚塗りすることはできない。そのため、染料系着色剤ブラックで素地着色してから黒エナメルを薄くスプレーしている。上塗りはポリエステルの磨き仕上げである

山桑 [ヤマグワ]

クワ [クワ]
ノグワ [ノグワ]
イヌグワ [イヌグワ]

クワ科

分布:北海道、本州、四国、九州、中国大陸、ヒマラヤなど

気乾比重:0.60

特徴:辺材は淡い黄白色、心材は暗黄褐色で、時間の経過とともに濃暗褐色(飴色)に変化する。木理は交錯し、肌目も粗いが、独特の金色の光沢をもち、主に玉杢、如鱗杢(じょりんもく)などの杢目が現れる。重硬なため加工性に難があるが、耐朽性は極めて大きい

用途:装飾材、家具、器具など

板目

山桜 [ヤマザクラ]

バラ科

分布:本州(宮城県・新潟県以西)、四国、九州、南朝鮮

樹形など:樹形は盃形、樹皮は紫褐色〜暗紫褐色で、横長の皮目が目立つ。葉は長さ7〜13?の長楕円形〜倒卵状長楕円形〜卵形で互生する。葉の先は尾状に鋭く尖り、葉縁には毛状の細かい鋸歯がある。花は直径2.5〜3?。淡い桃色の花弁を5枚もち、若葉と同時に開く。核果は直径8〜10?の球形で、黒紫色に熟す

気乾比重:0.60

特徴:辺材は淡い黄褐色、心材は褐色で時に暗緑色の縞模様を呈しており、辺心材の境目は明瞭。木理はほぼ通直、肌目も緻密で光沢をもつ。やや重硬で反りや曲がりが少なく、加工性もよいが、割裂しやすいので注意が必要。耐朽性は中程度

用途:床材、家具全般、曲げわっぱなど

柾目 板目

吉野杉 [ヨシノスギ]

スギ科

古くから奈良県吉野地方で植林されてきた民有林材。樹脂成分がほどよく、手垢が付きにくいため、造作材として広く用いられている。心材は淡い紅色で、白味を帯びたものがよいとされるが、「赤杉」と呼ばれる赤味の濃いものも、経年変化に対してその色合いがよく残るため、柱材、造作材として好まれる

柾目

「中杢」とは、材の中央部分に下から上へ1本の杢目が昇り、その左右に柾目が通っているものを指すが、さらに厳密にいえば、その杢目の幅も1寸5分(45?)以下だという。「中杢」といえば「吉野杉」といわれるほど、その代名詞にもなっており、天井板として高く評価されている

中杢

ヨーロピアンオーク [ヨーロピアンオーク]

オオシュウナラ [オオシュウナラ]

ブナ科

気乾比重:0.60

産地:欧州、小アジア、北アフリカ

特徴:辺心材の境目は明瞭で、辺材は淡色。心材は黄褐色で、時間が経つにつれ暗色になる。木理は通直、肌目は粗いが、柾目面に虎斑(とらふ)が現れる。やや重硬で強度も高い割に加工性は比較的よい。乾燥時に反りが出やすいので注意が必要。耐朽性は大

用途:床材、建具、高級家具

板目

ヨーロピアンバーチ [ヨーロピアンバーチ]

オオシュウカバ [オオシュウカバ]

カバノキ科

気乾比重:0.67

産地:欧州一帯

特徴:全体に白色〜淡い褐色を呈しており、辺心材の境目は不明瞭。木理は通直〜交錯、肌目も緻密〜中庸と材により幅がある。やや重硬で強度が高いが、乾燥性・加工性は比較的よい。表面の仕上がりが良好なため、着色性に優れる。耐朽性は小

用途:床材、家具全般、箱材などに用いられる

板目

ヨーロピアンビーチ [ヨーロピアンビーチ]

オオシュウブナ [オオシュウブナ]

ブナ科

気乾比重:0.67〜0.72

産地:欧州(特に中・西部、イギリス)

特徴:全体に淡い褐色を帯びており、辺心材の境目は不明瞭で、時間が経つにつれ赤褐色に変色する。木理はほぼ通直、肌目も緻密で、柾目面には銀杢が現れる。やや重硬だが加工は容易で、接着性・塗装性・表面の仕上がりも良好。収縮が大きいため乾燥時には注意が必要。耐朽性は小

用途:床材、家具全般、細工物

柾目

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