木材の知識 さ行

サペリ [サペリ]

サペリマホガニー [サペリマホガニー]

センダン科

気乾比重:0.65

産地:西アフリカ一帯〜ガーナ〜タンザニア

特徴:辺材は淡色、心材は初め桃色で、時間の経過とともに赤褐色に変化する。木理は交錯し、肌目も粗いが、柾目面にリボン杢が現れ、針葉樹系の芳香を放つ。やや重硬で加工性に難があるが、表面の仕上がりは良好。乾燥時に反りが出やすいので注意したい。耐朽性は中程度

用途:テーブル天板、高級家具など

柾目

マホガニー調仕上げ

サペリは、別名サペリマホガニーとも呼ばれ、マホガニー材に類似している。マホガニー材はチーク材と並んで世界的に優良材といわれ、古くから優良家具などに使用されてきたが、最近では入手が難しくなっている。この見本は、サペリ材を用いて2段着色を行い、マホガニー仕上げの再現を試みたものである

沢胡桃 [サワグルミ]

カワグルミ [カワグルミ]
コグルミ [コグルミ]

クルミ科

気乾比重:0.34

産地:北海道(渡島半島以南)本州、四国、九州(熊本県以北)

特徴:全体に淡い黄白色〜黄白色を帯びており、辺心材の境目は不明瞭。木理は交錯し、肌目もやや粗い。軽軟で乾燥は容易だが加工性に劣り、表面の仕上がりもよくない。耐朽性が極めて小さいので、使用部位には注意が必要

用途:板材、茶室の炉縁、建具、家具、器具、細工物などに用いられる

柾目

椹 [サワラ]

ヒノキ科

分布:日本特産。本州(岩手県以南)(木曽・飛騨などの中部山岳地帯に多く分布)、九州

気乾比重:0.34

特徴:心材はくすんだ黄褐色〜紅黄褐色、辺材は淡白色で辺心材の境目は明瞭。木理は通直で肌目も緻密だが、脂壺(やにつぼ)がみられる。ヒノキに近いが芳香はかなり違う、軽軟で加工性がよく、耐水性・耐湿性に優れる。耐朽性は大

用途:建具、腐れに強いので浴槽、樽、桶、外部材など広範に用いられるが蓄積量は少ないのであまり出まわらない

柾目 板目

椎 [シイノキ]

シイ [シイ]
スダジイ [スダジイ]
イタジイ [イタジイ]

ブナ科

分布:本州(関東以西)、四国、九州、朝鮮

樹形など:樹形は球形、樹皮は黒褐色で縦に深く裂ける。葉は長さ6〜15?の広楕円形で互生する。厚い革質で葉の先が鋭く尖り、葉縁に波状の鋸歯をもつ。雄花序は淡い黄色、雌花序は黄緑色で、それぞれ葉の脇に付く。堅果は長さ15〜18?の円錐状卵形で黒褐色に熟す

気乾比重:0.61

特徴:辺材は黄色を帯びた灰白色、心材は黄褐色で、辺心材の境目はやや不明瞭。木理は交錯し、肌目も粗い。重硬だが加工性は比較的よい。ただし、乾燥時に狂いが出やすいので注意が必要。耐朽性は小〜中程度

用途:構造材、屋根材、下地材、床柱、家具、フローリング、器具、細工物、彫刻など

板目

朱桜 [シウリザクラ]

シウリ [シウリ]
ミヤマイヌザクラ [ミヤマイヌザクラ]

バラ科

分布:北海道、本州(中部以北)、サハリン、中国大陸など

気乾比重:0.67

特徴:材色はヤマザクラよりも明るく(赤く)、辺材は淡い黄褐色、心材は赤褐色で、辺心材の境目はやや明瞭。木理は通直で肌目も緻密。やや重硬なため加工性はあまりよくないが、狂いや割れが少ない。耐朽性は中程度

用途:家具全般、細工物、彫刻などに用いられることが多い

柾目

塩地 [シオジ]

コバチ [コバチ]
アズマコバチ [アズマコバチ]

モクセイ科

分布:本州(関東以西)、四国、九州、中国大陸

樹形など:樹形は卵形、樹皮は褐色を帯びた暗灰色で縦に裂ける。葉は7〜9個の小葉をもつ奇数羽状複葉で対生する。小葉は長さ8〜20?の狭長楕円形で葉縁に細かい鋸歯がある。葉より先に枝の側部から長さ10〜15?の円錐花序を出し、白色の小花を多数付ける。翼果は長さ2.5〜5?の狭長披針形〜広披針形で、緑褐色に熟す

気乾比重:0.55

特徴:心材は淡い灰褐色〜淡い黄褐色を呈しており、一般にヤチダモよりもやや淡色。辺材は淡い黄白色で、辺心材の境目は明瞭。木理はやや交錯し、肌目も粗いが、時に美しい杢目を呈する。やや重硬で靱性が高いが加工性はよい。耐朽性は中程度

用途:造作材、装飾材、家具、内装用合板、化粧用単板など

柾目 板目

紫檀 [シタン]

本紫檀 [ホンシタン]

マメ科

気乾比重:1.04

産地:インドネシア、タイ、インドなど

特徴:一般的に辺材は白色、心材は赤黒色で、しばしば赤褐色〜褐色の縞模様をもっており、色調はかなり変化に富んでいる。木理は交錯し、肌目もやや粗〜粗。重硬なため乾燥・加工性にやや難があるが、美しい仕上がりが得られる。耐朽性は極めて大

用途:床柱、装飾材、高級家具、現在はほとんど市場に出まわらない、ローズウッドとも言う

板目

シナノキ [シナノキ]

シナ [シナ]
アカシナ [アカシナ]

シナノキ科

分布:北海道、本州、四国、九州

気乾比重:0.48

特徴:辺心材の境目は不明瞭で、辺材は淡い黄白色〜淡い褐色、心材は淡い黄褐色〜褐色を呈している。木理は通直で肌目も緻密。軽軟で乾燥・加工は容易だが、割裂しやすいので注意したい。耐朽性は極めて小さい

用途:多くは合板用材、塗装下地材とされるが、家具、器具などにも用いられる

柾目 板目

白樫 [シラカシ]

ホソバガシ [ホソバガシ]
クロガシ [クロガシ]
カシ [カシ]

ブナ科

分布:本州(福島県・新潟県以西)、四国、九州、朝鮮など

樹形など:樹形は球形、樹皮は灰黒色で皮目が縦に並ぶ。葉は互生し、長さ7〜14?の狭長楕円形。葉の先は鋭く尖り、葉縁の上部に鋭い鋸歯がある。花は穂状花序で、雄花序は枝の葉腋から垂れ下がり、雌花序は枝に2〜3個上向きに付く。花色はいずれも黄褐色。堅果は下部に椀状の殻をもつ、長さ約1.5?の広楕円形で、黒褐色に熟す

気乾比重:0.83

特徴:全体に灰白色〜黄灰褐色を呈しており、辺心材の境目は不明瞭。木理はやや交錯し、肌目も粗いため、板目面に樫目(かしめ)と呼ばれる斑点が、柾目面には独特の紋様が現れる。重硬で靭性に富み、強度に優れる反面、加工性に難がある。耐朽性は中程度

用途:屋根材、敷居、器具など

板目

神代杉 [ジンダイスギ]

スギ科

数百年間、火山灰のなかに埋もれていたスギには石灰が混入した水が浸透し、化学的に発色する。これを「神代杉」といい、特にその色調が茶色味を帯びたものを「茶神代」、黒色が強いものを「黒神代」と呼ぶ。辺心材とも黒ずみ、脂気がなく、枯淡の味わいをもつことから、天井板や落とし掛けなどに用いられる

板目

杉 [スギ]

スギ科

分布:日本特産。本州、四国、九州

気乾比重:0.38

特徴:辺心材の境目が明瞭で、辺材は白色、心材は淡い紅色〜濃い赤褐色、ときに黒色と材色に幅がある。木理は通直、肌目はやや粗く、特有の香気を放つ。脂気(やにけ)が少ない上、軟らかく軽いので加工しやすい。耐朽性は中程度

用途:建築材全般、建具、樽、桶、工芸品などに多用途

秋田杉柾目 秋田杉板目

焼杉仕上げ

スギ材の特性を生かした仕上げ法に焼杉仕上げがある。針葉樹の場合、一般には春材部と夏材部の硬さの差が大きいため、平面的な塗装を施すと春材部に傷が入りやすい。焼杉仕上げも一種の薬品着色で、この場合は塩酸が使用される。8%程度の塩酸をスギ材に塗布し、乾燥しないうちにバーナーの炎で焼く。塩酸が塗布されていると夏材部が濃色となる。その後、表面に「うずくり」を掛け、表面を凹凸にし、ウレタン塗装を施す

時代仕上げ

広葉樹の環孔材に用いられる時代仕上げの技法を針葉樹向けにアレンジすると、見本のような仕上がりが得られる(本誌041頁参照)。焼杉仕上げに用いられる「酸焼き」と「うずくり」を施した後、濃色の溶剤系着色剤を塗布し、ほとんど真っ黒にしてから、水性の砥の粉目止め剤に、若干、色付けしたものをワイピングする。仕上げはワックス磨きかラッカー艶消し塗料の薄塗りを行う

神代色薬品着色仕上げ

天然の神代杉は貴重材だが、人工的にこの神代色を発色させる方法が、石灰乳と重クロム酸カリウムによる薬品着色法である。特に心材部分の発色がよく、夏材部を濃色に発色させるためには薬品着色法しかない。塗装は無黄変タイプのウレタン塗装である

タークオリーブ色仕上げ

顔料着色剤による針葉樹材の着色仕上げは、春材部が濃色になってしまう。本来は薬品着色のように夏材部を濃色に表現したいが、簡便着色法なのでやむを得ない。スギ材特有の軟らかさから、テーブルなどの家具への使用にはやや無理があると思われるが、壁材やラフな家具にはこのような顔料着色が適当である

シトカスプルース [シトカスプルース]

ベイトウヒ [ベイトウヒ]
アラスカヒノキ [アラスカヒノキ]
コーストスプルース [コーストスプルース]
イエロースプルース [イエロースプルース]

トウヒ(スプルース)類/マツ科

気乾比重:0.45

産地:アラスカ州南部〜カリフォルニア州北部の太平洋沿岸に広く分布

特徴:全体に白色〜淡い黄褐色を呈しており、辺心材の境目は不明瞭。木理は通直、肌目も緻密で、仕上げ面には絹目の美しい光沢が現れる。軽軟だが強靱で収縮が小さく、乾燥・加工性もよい。耐朽性は小

用途:内部造作全般に用いられるほか、建具、家具、箱材、楽器などに使用される

柾目 板目

セプター [セプター]

セプチール [セプチール]
シンドラ [シンドラ]

マメ科

気乾比重:0.52〜0.85

産地:サバ、サラワク、ボルネオ、インドネシア、タイなど

特徴:辺材は淡い赤色、心材は黄褐色〜赤褐色を呈し、時に濃色の縞をもつ。木理は通直〜交錯、肌目はやや緻密で、わずかに光沢を有し、リボン杢も現れる。やや重硬だが加工性は比較的よく、表面の仕上がりも良好。釘打ちにより割れやすい。耐朽性は中程度

用途:装飾材、家具、化粧用単板など

板目

セランガンバツ [セランガンバツ]

ヤカール [ヤカール]
バラウ [バラウ]
バンキライ [バンキライ]

フタバガキ科

気乾比重:0.84〜1.05

産地:フィリピン〜ボルネオ〜インドなどに広く分布

特徴:心材は黄色〜赤褐色と色調に幅があり、時に緑色を帯びる。辺材は淡色で、辺心材の境目はやや明瞭。木理は交錯しているが、肌目は緻密〜やや緻密。重硬で強度が高く、耐朽性も大きいが、乾燥・加工性にやや難がある。外観上、メランチ類とよく似ている

用途:床材、耐候性が高いのでウッドデッキ等外部材に使用される

板目

栓 [セン]

ハリギリ [ハリギリ]

ウコギ科

分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国大陸など

気乾比重:0.50

特徴:全体に淡い灰黄色〜淡い灰褐色で、辺心材の境目は不明瞭。木理は交錯し、肌目も粗いが、板目面は光沢があり年輪紋様が美しい。やや軽軟で加工性がよく、仕上げ面に美しい杢目が現れる。耐朽性は小〜中程度

用途:家具など装飾に使用されることが多い、ケヤキ代用品に使用

柾目 板目

栴檀 [センダン]

アウチ [アウチ]

センダン科

気乾比重:0.58

産地:東海以西の本州、四国、九州、沖縄

特徴:辺材は黄白色、心材は淡い黄褐色で、辺心材の境目はやや不明瞭。木理はやや交錯〜交錯し、肌目もやや粗〜粗。やや重硬で強度も高いが、加工性は比較的よい。耐朽性は中程度

用途:板材、造作材、装飾材、家具、器具、楽器、寄木、桶など。ケヤキやキリの模擬材として使われることもある

板目

ゼブラウッド [ゼブラウッド]

ゼブラ [ゼブラ]
ゼブラノ [ゼブラノ]

マメ科

気乾比重:0.84

産地:ナイジェリア、象牙海岸、カメルーン、ガボンなど

特徴:辺材は白色、心材は間隔が狭く、淡い黄褐色の地に黒褐色の縞をなし、独特の光沢をもつ。木理はやや交錯し、肌目も粗く、リップルマーク(さざ波模様)を有する。重硬なため加工性に難があり、乾燥が遅く、乾燥時に捩れが出やすいので注意が必要。耐朽性は中程度

用途:テーブル天板、高級家具、装飾材など

柾目

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